鋤田正義さんは、CM業界の中でも、もっとも多忙なムービーカメラマンのひとりだ。
今さら言うまでもなく、1970年代のミュージック・シーンを飾ったデビッド・ボウイやマーク・ボランなどの写真では、世界的に名の知られたフォトグラファーでもある。
ファッション、広告、映画など、これほどボーダーレスに、かつ長い間、いつも時代のいちばん柔らかく敏感なところで活動されてきたカメラマンが、他にいるだろうか?

CMディレクター、映画監督、タレント、ミュージシャン、つまり、撮る側にも撮られる側にも、鋤田さんのファンは多い。
その理由は、鋤田さんの、誰の前でも、どんな状況でも変わることのない、「穏やかで、公平で、自然な態度」にあるのではないかとぼくは思っている。

うまく言えないが、存在を強く意識したり、プレッシャーを感じたりしないで、いつの間にかいい写真、いい映像が撮れる環境を作ってくれる、そんなカメラマンなのだと思う。
そこに、撮影をする時の大事な何かがある、そんな気がして、学生になった気持ちで、鋤田さんにゆっくり話を聞いてみようと思った。

VOL.1 ■カメラレンズのこちら側と向こう側
VOL.2 ■カメラマン的なたたずまい
VOL.3 ■被写体としてのミュージシャンに出会う
VOL.4 ■ドキュメントとエンターテインメント

VOL.5 ■70年代ブームらしきものを通じて・・・
VOL.6 ■70年代の反動と逆風
VOL.7 ■これからのこと


特別寄稿:鋤田正義のMY FAVORITE

鋤田正義 Masayoshi SUKITA 

写真家

《略歴》
1938年●福岡県生まれ
1960年●日本写真専門学校卒業
1960年●棚橋紫水氏に師事
1961年●大広入社
1965年●デルタモンド入社
1970年●フリーに。

《作品略歴
1962年●APA展会長賞(アイ・ジョージのステージ写真)
1968年●APA展金賞(フラワー)
1971年●ADC賞(メンズ・ファッション[ジャズ]・TVコマーシャルの撮影)
1971年●寺山修司 監督作品[書を捨てよ町へ出よう]撮影
1972年●[T.REX]写真展(東京)
1980年●沢田研二 写真集[水の皮膚]
1983年●土屋昌巳 写真集[ALONE]
1985年●ポール・シュレーダー監督作品[MISHIMA]スチル撮影
1989年●ジム・ジャームッシュ監督作品[ミステリー・トレイン]スチル撮影、 写真集
1991年●長尾直樹 監督作品[東京の休日]撮影
1992年●サイトウマコト監督TVドラマ[マコトノハナシ]撮影
1992年●デビッド・ボウイ写真集[氣]
1992年●[PICTURE SHOW]写真展(大阪)
1999年●是枝裕和監督作品「ワンダフルライフ」再現部分撮影、 スチル撮影 
同写真集、写真展(東京)
1999年●T.REX 写真集 写真展(東京)
2001年●田中麗奈主演インターネット配信作品[好き]より[波]監督、撮影[波]画像集
2002年●「マークボラン&T.REX」写真展(ロンドン)参加