2月13日(日)

いま、何周目?




もう二月も半ば。
ぼくも含めて、比較的ゆっくりしたペースで始まった今年。
二月に入って、ライブラリーのメンバーも、あわただしくなってきたようだ。
多少景気が悪くても、二月三月が忙しいのは相変わらず。
都内のいたるところで道路工事をやっているのもこの時期だ。
ぼくらはやっぱり現場仕事なんだなぁ。

二月に入って最初の仕事をご一緒するプロデューサーのTさん。
先日打ち合わせに行って会ったのは、なんと17,8年ぶりのことになる。
ぼくが30代はじめ、彼がまだその会社に入って間もない制作だった頃、立て続けに何本か一緒に仕事をした間柄だ。
今では、業界屈指の規模を誇るプロダクションの、エグゼクティブ・プロデューサーという肩書きになっていた。
髪に白いものが混じっていたり、ちゃんとスーツを着たり、老眼鏡(だったかな?)をかけていたりというところはすっかり変わったが、現場の細かいことにイメージを膨らませたり、クリエーティブにすごく謙虚で率直なところはまったく変わっていない。

よく「いまぼくは何周目にいるのかなぁ?」と考えることがある。
制作の人たちが、5、6年、長くても7,8年でプロデューサーになっていく。
そのサイクルを一周とすると、いまぼくはおそらく3周目から4周目にさしかかったところということになるのかな、と思う。
制作だったTさんがプロデューサーになり、やがて多くの部下を従えるルーム長に、そしてエグゼクティブ・プロデューサーになっていく間に、3代くらい、制作の人たちが入れ替わっているはずだ。

30代も後半にさしかかった頃だろうか、「いまぼくは2周目にいるんだ」と思ったことがある。
かつて制作だった人がプロデューサーになって、ぼくをディレクターとして選んでくれたりすることが度々あるようになったからだ。
フリーランスで仕事をする人ならだれでもわかると思うが、そのうれしいこと、うれしいこと。
制作の人がひとりのプロデューサーとして独立して、仕事を取ってくることは簡単なことじゃない。
こちらも経験を積んで、それがわかるし、とくべつ制作の人たちと親しく接する方じゃないぼくなんかに、よく仕事を頼んでくれたなぁ、とうれしい気持ちでいっぱいになるのだ。
だれに言われるよりも、自分が評価されたような気持ちになる。
ウソだと思われるかもしれないが、ほんとうだ。

そして、3周目から4周目へ。
いま一緒に仕事をしている制作の人たちが、世代を超えて、ぼくをパートナーとしておもしろがってくれるのかな?
別に、心配はしない。媚びることもない。普段どおりに仕事をするだけだ。

だけど、肝心なその制作の人たちの気質に、ちょとした異変が起きているかもしれない、と思った。
エグゼクティブ・プロデューサーであるT氏、その下の担当プロデューサーSさん、そして制作のS君。
三代の、元制作と現役の制作が、スタッフ打ち合わせで見せたちょっとした「違い」がぼくにはとても興味深かった。
エグゼクティブ・プロデューサーのTさんが、いちばん現場の進行にイメージを膨らませている。スタッフの気持ちをリアルに感じ取っている。
担当プロデューサーのSさんや制作のS君の方が、むしろ予算管理や現場の効率に神経をとがらせている。
どちらがいいと言うじゃなくて、その違いに、ここ10数年の間に起こった、制作という仕事の質の変化を見る思いがした。

だれと組むか、どういうスタッフィングをするかで、同じ仕事も、がらりと違ったものになるだろう。
予算や、現場の効率だって、大きく違ってくると思う。
その、だれと組むかを、もっともっと次の世代の人たちが楽しんでくれたらいいな。
怖がらないでほしいな。
その結果、ぼくが次の周を走っていないのだったら、仕方のないことだ、と思うのだ。

今村
 
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